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The Stray Times(有料版)の予告 第77回目

| 有料版記事予告 | 2020年10月04日 |

 10月5日(月曜日)の夕方に予定通り更新します。以下、予定内容です。
 
1 特別特集  NTTがドコモを完全子会社化する意味と思惑

 9月29日にNTTは、66.2%を保有する連結子会社のNTTドコモをTOBで完全子会社化すると発表した。そして翌30日から1株=3900円で買付けを開始している。NTTの投資総額は4.25兆円と過去最大のTOBとなり、NTTドコモは上場廃止となる。

 この背景にはいろんな意味と各方面の思惑が込められているが、その辺を歴史的、主の変わった官邸の意向、海外(とくに米国)の状況など各方面から検証してみる。

 世界の最先端から大幅遅れとなった日本の携帯電話を含む通信業界の失地回復とか、世界的に割高な携帯電話料金の引き下げのためなら結構なことであるが、あまり期待はできない。規制に守られた寡占業界の「権力構造」が少し変わるだけである。

 
2 株式市場における今後の「勝ち組」「負け組」   日本取引所グループ編

 10月1日に日本取引所グループの東京証券取引所で株式、ETF、REITなど全取引が終日止まってしまった。情報系システムが故障し、バックアップ・システムにうまく切り替わらなかったと説明されているが、どこか「他人事」である。

 これまた規制に守られた独占企業である東証(日本取引所グループ)の体質をよくあらわしている。証券取引所とは重要な国家インフラであるという自覚も何も感じられない。そこで東証を含む日本取引所グループの問題点を「日本の証券業を背負って世界と競争しなければならない上場企業」としての観点から検証する。

 
3 お勧め「書籍」「映画」コーナー

 「書籍」です。

 
2020年10月4日

NTTのドコモ完全子会社化の意味

| 個別企業編 | 日本 | 株式編 | 個別企業編-その他 | 2020年10月02日 |

 NTTは9月29日、NTTドコモをTOBにより完全子会社化すると発表した。NTTドコモは1992年にNTTの移動通信事業を分離・独立させたもので、1998年に東証一部に株式上場している。

 現在はNTTが66.21%を保有する筆頭株主であるが、残る全株を1株=3900円(発表前日の終値・2775円に40.5%のプレミアムを加えている)で取得し、完全子会社とするものである。NTTは9月30日に公開買付届出書を提出しており、同日から11月16日までが買い付け期間となる。

 TOBそのものの成立要件は0.45%の取得だけである。そうなるとNTTの持ち株比率が3分の2を超えるため、定款変更などを通じて全株取得が可能となる。いずれにしてもNTTドコモは上場廃止となる。また全株取得した場合のNTTの総取得金額は4.25兆円となり、日本の株式市場で過去最大のTOBとなる。

 ところでTOBは単純に買付者(NTT)が対象者(NTTドコモ)の株主から買い付けるだけなので、あまり第三者に支払う報酬は多くないと思われるが、とんでもない。あまり明らかにされることはないが、金額が大きいだけに「かなり高額の報酬」が関係者の間で「山分け」される。

その関係者とは主なものだけで、まずNTTのアドバイザーが三菱UFJモルガン・スタンレー証券、TOB価格が公開買付者(NTTのこと)の株主にとって財務的見地から公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を提出したデロイト・トーマツ・ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、法務アドバイザーが森・濱田松本法律事務所と日比谷総合法律事務所である。

 一方で、NTTドコモのアドバイザーが野村證券、法務アドバイザーが中村・角田・松本法律事務所である。

 そしてこのTOBの公開買い付け代理人も三菱UFJモルガン・スタンレー証券であり、公開買付届出書に添付する総額4.3兆円の融資証明書は三菱UFJ銀行(1.5兆円)、三井住友銀行(1.2兆円)、みずほ銀行(7000億円)、農林中央銀行(4000億円)、三井住友信託銀行(3000億円)、日本政策投資銀行(2000億円)がそれぞれ提出している。こういう融資には金利以外に「かなり厚い」コミットメントフィーが支払われる。

 さてそれではNTTがここまで巨額費用をかけてNTTドコモを完全子会社化する理由は何か?

 それはNTTがNTTドコモへの支配力を強化し、もう一度NTTグループとしての存在感、政治力、技術開発力を発揮することに尽きる。NTTは2020年6月にドコモに副社長として送り込んだばかりの井伊副社長を12月1日付けで社長に昇格させ、直接統治に乗り出す。

 記者会見ではNTTドコモは営業利益では業界第3位(つまり最下位)という声が上がっていたが、それでもドコモは2020年3月期に5915億円(前年比10.9%減)の純利益を上げている。同期におけるNTT本体の純利益は8553億円(同0.1%増)であるが、その中にはドコモの持ち分利益(3915億円)と受取配当(1282億円、1株=60円)が含まれている。

 つまりドコモはこのままでもNTTの収益に「大いに」貢献していたのである。

 それではNTTがドコモに追加投資する4.25兆円は、ドコモを1株=3900円で計算するとPERが20.8倍、PBRが2.4倍にもなる。NTT自体の現在のPERは9.27倍、PBRが0.85倍であるため、明らかにNTTの株主価値が「薄まる」ことになる。

 ましてや菅政権は「携帯電話料金の一層の引き下げ」を要求しているため、ドコモの収益力がこれ以上伸びることはなく、またさらなる設備投資やコンテンツ投資も必要となる。

 また総務省としても天下り先が1社減ることになり、持ち株を夢のような高値で売却できるNTTドコモの株主以外に「儲かる」ところがないような気がする。こういうTOBに必ず出てくる「TOB価格を引き上げようとする」外国人株主の動きが出るとも思えない。

 この辺については、海外の通信会社のダイナミックな動きと対比させて、また「菅官邸」の関与も含めて、近々詳しく検証する。

2020年10月2日

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