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The Stray Times(有料版)の予告   164回目

| 有料版記事予告 | 2022年6月12日 |

The Stray Times(有料版)の予告   164回目

 6月13日(月曜日)の夕方に予定通り更新します。以下、予定内容です。

1 特別特集  なぜ「亡国の円安」なのか?

 先週末(6月10日)の円相場は一時1ドル=134.55円と2002年2月以来の円安となった。岸田政権となってから財務省が増税を含む緊縮財政路線に回帰しており、それで日本経済が落ち込まないよう日銀「異次元」金融緩和を強引に継続するための円安加速である。

 ところが同じ先週末の米国株式は急落となった。物価上昇加速に景況感の悪化が重なったもので、とりあえずFRBは利上げを加速せざるを得ない。ECBなど世界の中央銀行も追随する中で、日銀だけが「異次元」金融緩和を継続する弊害はますます拡大する。

 今週はこの状態が継続すれば、日本が陥るであろう「恐ろしい状況」について考える。

 
2  今週の「注目すべき」銘柄     ファーストリテイリング

 最近の中国事業の異変に続いてロシア事業の停止にも追い込まれたファーストリテイリングが、国内製品の大幅値上げに踏み切った。

 急にドタバタが続いているように思えるファーストリテイリングを「再チェック」する。

3  お勧め「書籍」コーナー

 未定です。

2022年6月12日

「亡国の円安」が加速する

| 為替編 | ドル(円) | 2022年6月07日 |

「亡国の円安」が加速する

 円安が再び加速している。日本時間6月7日午後に、一時1ドル=133円ちょうどと2002年以来20年ぶりの円安となった。

 円ドル相場は2021年10月からロシアのウクライナ侵攻が始まっていた2020年3月上旬まで1ドル=115円前後で小動きだった。そこからFRB(というより日銀以外のほとんどの中央銀行)の金融引き締め政策への転換に対し、日銀だけが頑なに超緩和政策を継続する意向であるための円安加速である。

 そして5月3~4日のFOMCにおけるFRBの金融引き締め加速が確定的となった4月28日に一時1ドル=131.24円まで円安となる。しかしその後は米国株安(NYダウは5月20日まで8週間連続安となった)と長期金利低下(10年国債利回りは5月8日の一時3.20%から同27日には2.74%まで低下していた)もあり、5月24日には1ドル=126.83円まで円安修正となっていた。

 ところがそこからまた円安加速となり、6月3日には再度1ドル=130円を突破して本日の円安更新となった。6月3日発表の5月米雇用統計がまずまず好調だったこともあり、改めてFRBの金融引き締め加速が確認され、米国株が反発、10年国債利回りが再度の3%超えとなる。そこで改めて日銀の黒田総裁の超金融緩和の継続に加えて円安加速による物価上昇も気にしないニュアンスが伝わったためである。

 ちなみに20年ぶりの円安であるが、当時は1990年代後半からの円キャリートレード積み上がりで1998年8月には一時=147.66円、2002年1月には一時1ドル=135円台前半の円安となっていた。

 ところが2001年9月の米同時多発テロによる米国経済低迷とFRBの急速な利下げで2004年半ばには1ドル=102円台の円高(これは明らかにドル安)となる。日銀が逆に世界初の量的緩和に踏み切るとともに大量のドル買い介入で米国金融システムとドルの水準を支えていた。だからここでは日銀量的緩和とドル買い介入にもかかわらず円高だった。

 その連続線上で2008年9月のリーマンショックによる急激な円キャリートレード巻き戻しとFRBのゼロ金利・資産買い入れ開始、2011年3月の東日本大震災による日本の機関投資家によるドル資産売却懸念などで、2011年10月31日には一時1ドル=75.32円の史上最円高となる。当時は日本の経常収支赤字転落まで懸念される中での円高加速だった。

 そこからは2011年12月に発足した安倍政権による経済政策(アベノミクス)とくに2012年4月4日からの日銀「異次元」金融緩和で、2015年6月5日には一時1ドル=125.84円の円安となる。しかし純粋な日銀「異次元」緩和による円安はここまでである。今回の円安加速が当時の水準を超えていることは重要である。

 そこからは中国の人民元安転換と英国のEU離脱で2016年6月には一時1ドル=99円となり、またコロナショックによるFRBのゼロ金利復活と未曾有の資産買い入れで2021年1月には1ドル=103.20円まで円高になるなど、基本的に変わらない日銀「異次元」金融緩和なかでも結構な円高となっていた。

 つまり円相場は日銀の金融政策だけで円安となるわけではなく、外部要因の影響のほうが大きい。しかし今回は日銀だけが超金融緩和を頑なまでに継続するための円安加速である。

 指導力のない岸田政権のもとで財政再建(という名の増税と緊縮財政)を強行する財務省は、日銀の超金融緩和政策による低金利と円安に頼ろうとしている。また日銀も保有国債残高が積み上がり償還が高水準となるため、国債買い入れペースを加速させざるを得ない。

 ところが今回は、もともとの供給要因にロシアのウクライナ侵攻が重なった世界的なエネルギーを含む資源・商品価格の高騰が加わっており、それら資源・商品の大半を輸入に頼る日本経済へのダメージは加速している。

 CRB指数は原油価格が一時的にマイナスとなった2020年4月24日の108.20から現時点の326.81まで3倍になっているが、円ベースでみると(2020年4月は1ドル=107.50円)4倍になっている。それだけ日本の国富が海外に流出している。

 また円はドルに対してだけ円安となっているわけではなく、昨年末から本日の最円安ポイントを比較すると対ユーロは130.90円から142.05円、対ポンドは155.74円から166.13円、対スイスフランは126.12円から136.80円、対オーストラリアドルは83.68円から96.11円、対人民元は18.10円から19.94円など、「最弱通貨とされる対トルコリラを除く全通貨」に対して円安加速である。

 日銀には「為替はその国の通信簿」という古い格言があったはずであるが、現在では岸田政権も日銀も完全に財務省の言いなりである。

 まさに国策を無視した「亡国の円安」が加速しているのである。

2022年6月7日

 

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