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The Stray Times(有料版)の予告   167回目

| 有料版記事予告 | 2022年7月03日 |

The Stray Times(有料版)の予告   167回目

 7月4日(月曜日)の夕方に予定通り更新します。以下、予定内容です。

1 特別特集   間違いなく急減速している米国経済  どうなる米国株とドル?

 先週末(7月1日)の米国市場は、米国経済に急減速の兆候で長期金利が急低下した。6月のFOMCで加速されたばかりの金融引き締めペースが緩められるとの期待からNYダウは上昇したが、週を通じては下落していた。またドルはまだ強いままである。

 今週は、その米国株とドルの今後の動きを中心に予想する。

 
2  今週の「警戒すべき」銘柄   東芝

 3月決算企業の株主総会が終了した。その中でも注目されていた東芝の株主総会は、新たにファンドの利益を代表する2名の取締役を承認し、公正な立場の取締役1名が辞任したため、再任を含めるとますますファンド主導の取締役構成となった。

 そんな取締役会が、いよいよ「東芝をファンドに売り飛ばす」プロセスを承認する。東芝が株式市場から消えてしまう可能性も強いため、最後の記念として取り上げる。

3  お勧め「書籍」コーナー

 今週からまた「書籍」ですが、まだ決めていません。

2022年7月3日

日銀の国債保有を正確に考える

| 中央銀行・金融情勢・提言編 | 日本 | 2022年6月29日 |

日銀の国債保有を正確に考える

 日銀の国債保有残高(以下、すべて短期国債を除く)の総発行残高に占める割合が初めて5割を超えた。6月20日現在の国債保有残高が514.9兆円(額面ベース)に対して6月27日現在の総発行残高が1021.1兆円なので、単純計算で日銀が50.4%を保有している。

 世界のほとんどの中央銀行が利上げや総資産縮小に踏み切る中で、日銀だけは全年限の国債を買い続け、とくに10年国債利回りを0.25%以下に抑え込むため10年に近い年限の国債を指値オペで無制限に買い入れている。その結果、日銀は6月だけで(月末までの予定と見込みを入れて)16兆円以上の国債を買い入れる。過去のピークは2014年11月の11.1兆円だった。

 世界中で国債利回りが上昇する中で、日本の国債利回りだけが日銀の大量買い入れで低く抑え込まれているため、円安が加速しただけでなく(6月22日早朝に一時1ドル=136.71円と1998年以来の円安となった)、海外ヘッジファンドなどが大量の空売りをぶつけていたが、月末にかけては日本の国債利回りも落ち着きを取り戻している。

 日銀の6月20日現在のバランスシートは、総資産が国債の525.8兆円(ここは金額ベース)、ETFとREITが37.7兆円、金融機関への貸し出しの142.4兆円など742.3兆円(ただし日銀は外為勘定を除く保有資産の時価評価を行わない)、総負債が日銀券の119.6兆円、日銀当座預金の564.3兆円、引当金を含む資本勘定の11.1兆円などである。
 
 ところで日銀の大量国債買い入れを巡ってはいろんな意見が出ている。まず金利(国債利回り)が急上昇すると、日銀が債務超過になるというものである。

 そもそも日本は簡単にゼロ成長から脱却できないため、金利(国債利回り)が急に上昇することはない。たしかに日銀は保有国債を時価評価していないが基本的に満期まで保有するため、仮に途中で評価損となっても問題はない。3月末時点で日銀の国債含み益が4.3兆円あり、FRBの0.75%の利上げなどで日本の国債利回りにも上昇圧力がかかった6月中旬でも1.3兆円ほどの評価益が残っていたはずである(みずほ証券の試算)。

 ここで日銀の国債損益だけを考えると、金利(国債利回り)が上昇するより低下するほうが「はるかに」困る。マイナス利回りを含む低利回りで国債を買い入れることになるため、2021年度(2021年4月~2022年3月)に0.227%まで低下した日銀の保有国債利回り(加重平均クーポンに近い)がますます低下してしまう。

 これも大変に想定しにくいが「そこで」日本の政策金利が0.25%になると、現時点で保有国債残高より多い日銀当座預金への利息も同じ0.25%となるため、日銀の保有国債全体が逆ザヤになってしまう。

 それから日銀が国債の総発行残高の5割以上を保有していることに対する「漠然とした不安」がある。しかしこの最大の問題は日銀が国債を買い過ぎていることではなく、その代金が一向に市場に出ていかないことである。

 日銀が「異次元」金融緩和に踏み切る直前の国債保有残高が91.3兆円、総資産が164.3兆円、日銀当座預金残高が58.1兆円だった。そこから2022年6月20日までに国債保有残高が(金額ベースで)434.5兆円、総資産が578兆円、日銀当座預金残高が506.2兆円も増えている。

 つまりこの間の日銀当座預金残高は国債保有増加額の116.5%、総資産増加額の87.6%の割合で増加している。日銀が国債買い入れなどで「せっせ」と市場に供給した資金の大半が当座預金残高として日銀内に滞留している。日銀が「いくら」金融機関から国債を買い入れても、また金融機関に貸し付けても、その資金は市場(経済活動)に「ほとんど」使われていないことになる。というより日銀が「必要ない」資金を大量に供給していることになる。

 いったい「何の」ために?

 これは日銀が(主に)国債買い入れを通じて金融機関の預金を当座預金に積み上げ、その資金を(主に)国債を買い入れに使っていることになる。国債発行残高は毎年の財政赤字を積み上げたものであるため、日銀が買い入れても買い入れなくても発行残高はあまり変わらないはずである。ところがその国債発行残高の5割以上を日銀が買い入れている。

 つまり日銀が国債を「必要以上に」買い入れるので金融機関も市中から国債を「必要以上に」買い入れる。実際は2年、5年、10年の新発国債が中心となるが、とりあえず金融機関は手元資金(預金)から支払う。そしてすぐに日銀にその国債を売却するが、その代金の大半は日銀に預けたままである(つまり使わない)。

 ということは日銀が国債を買い入れなければ金融機関は市中から国債を買い入れる必要がなく手元資金(預金)も減らなかったはずである。日銀当座預金団残高に相当する金額は、本来なら金融機関は「使わなかったはずの」手元資金(預金)で新発国債を中心とする国債を買っていたことになる。

 これは日銀が国債に対する「需要」を作りだしたことになる。別の言い方をすれば日銀が国債に対する需要を「先食い」したことになる。ただ日本では資金需要が一向に盛り上がらないため、金融機関がその「先食い」した需要を解消する(日銀当座預金を引き出す)必要が「当面」ないだけである。

 そう考えていくと「何だか」不安になってくるが、そういう指摘を聞いたことがない。

2022年6月29日

 

 

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