2020/12/06(日)

04時44分47秒

The ST

世界の出来事を独自の見解で読み解く 刺激的金融ブログ

検索

ドル/円

コロナ禍におけるMLB(Major League Baseball)

| 科学・趣味・その他編 | 2020年8月28日 |

 米国では、コロナ禍においても各主要プロスポーツは期間短縮や無観客など工夫を凝らしながらシーズンに突入あるいは再開している。

 その中で、MLBについて解説したい。その理由は、もともと米国の各主要プロスポーツの中で最も労使(オーナー側と選手側)の対立が激しいため、どうやって「折り合い」をつけたかも興味があるからである。

 MLBについては、よく大富豪(オーナー側)と富豪(選手側)の対立と揶揄されるように、労使の「世間から遊離した」対立が話題になる。選手の年棒も年々急上昇し、いまでは年棒40億円を超える選手も何人かいて、これも富豪(選手)のプレーを一般庶民が高い入場料を支払って見ていると揶揄される。

 さてMLBは30チーム(うち1つはカナダのトロント)あり、National League とAmerican Leagueがそれぞれ東部、中部、西部の3地区に分かれ(つまり全部で6地区)、通常は半年(26週間)で162試合も戦う過酷なシーズンを送る。その後はすぐに約1か月のポスト・シーズンに入り、ワールド・チャンピオンが決まる長丁場である。

 高騰する選手年棒を支えているのは、これも天井知らずの放映権料で、全米放映分は2014~2021年の8年間で総額120億ドル(1兆2700億円)をESPN、FOX、TBS(日本のTBSとは違う)が支払っている。これは全30球団に均等配分されるため、単純計算で各球団は毎シーズン5000万ドル(53億円)を受け取る。年棒総額が最低のピッツバーグ・パイレーツなどは、これだけで年棒総額を賄えてしまうが、年棒総額が最高のNYヤンキースは2億4000万ドル(254億円)で、ロサンゼルス・ドジャース、ヒューストン・アストロズ、シカゴ・カブスと続く。

 また2022年以降は、ESPNがすでに7年51億ドル(5400億円)で合意しており、これは単純比較で現在の放映権料の40%増しとなる。

 各球団が受け取る放映権料はもう1つあり、各地方放送局、ラジオ、ケーブルテレビから受け取る放映権料は分配せず、各球団が全額受けとる。この地方放映権料の方が大きく、最高のドジャースは年間3億ドル近い。大都市に本拠地を置く球団の年棒総額が大きいのは、人口が多いため視聴者も多く放映権料も高騰するからである。

 また今季から全球団のユニフォームを提供するナイキが、10年間で10億ドル(1060億円)を提供する。

 2019年のMLB総収入は史上最高の107億ドル(1兆1340億円)もあり(日本プロや野球は1800億円くらい)、年棒総額が47億ドル(4980億円)であった。まさに大富豪(オーナー側)と富豪(選手側)が大金を分捕り合う構造である。

 この状態で2020年シーズンはコロナウイルスに襲われ春に開幕できなくなった。さすがに試合ができないと放映権料も選手年棒も支払われない。そこで大富豪(オーナー側)も富豪(選手側)も何とか開幕させ、さらにその減った収入をどう分捕り合うかのバトルが繰り広げられた。

 とりあえず合意した内容は、7月24日から9月28日の66日間で60試合も行い、さらにすぐにポスト・シーズンを16球団に拡大して(通常は10球団)ワールド・チャンピオンを決めるという過激なスケジュールとなった。

 当然に無観客であるが、これはMLB収入の大半は放映権料であるため大した問題ではない。ただネット裏の空席にファンの写真をパネルにして掲げる(テレビに映る)権利を、1席1万ドルで売り出した球団もある。

 肝心の年棒は(たぶん放映権料も)開催した試合の案分となった。つまり162試合に支払われる年棒の60試合分(約37%)である。またコロナ対策は、選手やスタッフに感染者が出ると、何試合か中止する(順延する)だけとなった。

 さらに移動時間を節約するため両リーグの3地区を統合し、同じ地区内だけでシーズンを戦うことにした。とにかく試合を行わなければ大富豪も富豪も困るからである。

 いざシーズンが始まると、選手やスタッフにコロナ感染者が結構出ているにも関わらず、短期間の中止だけで強行している。ただセントルイス・カージナルスは開幕直後にコロナ感染が拡大し15日間も試合が出来なかったため、現在は連日ダブルヘッダーを含む「殺人的スケジュール」を戦っている。ベンチ入りメンバーは(年棒総額を上げないため)26人に据え置かれたままのため、年棒が高い先発投手は5人のままで比較的年棒の安いリリーフ投手だけで戦う試合も増えている。

 今後も何が起こっても、このままシーズンが強行されていくのであろう。

2020年8月28日 

The Stray Times(有料版)の予告 第71回目

| 有料版記事予告 | 2020年8月23日 |

 8月24日(月曜日)の夕方に、予定通り更新します。以下、予定内容です。

1 特別特集   日韓併合と朝鮮半島史   後半

 先週書き始めた「日韓併合と朝鮮半島史」を完成させる。内容を朝鮮半島だけに絞ると問題点が明確にならないため、引き続き中国史や世界史にまで視点を広げて解説していくため、どうしても長くなる。
 
 先週(前半)はやっと日韓併合(1910年)まで来た。今週は第一次世界大戦、満州事変、満州国、太平洋戦争(第二次世界大戦)、戦後と続けながら、日本と朝鮮半島の根深い対立構造を考えていく。できるだけ私見を排除し、公平に事実だけを取り上げていくことは先週(前半)と同じである。
 

2 株式市場における今後の「勝ち組」「負け組」  ニチイ学館編

 先週に引き続き「TOBネタ」である。先週の「雪国まいたけ」より規模がかなり大きく、創業家を含む現経営陣が(形の上は)資金を用意してニチイ学館の全株を取得し非公開化するMBO型ではあるが、その資金はハゲタカファンド(ここでもベイン・キャピタル)が用意して非公開化後のニチイ学館に返済させるスタイルは同じである。

 MBOやLBOの「決まり文句」は、思い切った経営を行うため一般株主にリスクを負わせられないため非公開化するというものであるが、ちょっと考えるとウソであることがわかる。また単なる財布代わりと思っているハゲタカファンド(ここは特にえげつないベイン・キャピタル)の怖さや狡猾さも十分に理解できておらず、気がつくと放逐されている恐れもある。

 今週はそんな「危なっかしい」ニチイ学館のMBOについてじっくり解説する。

                       
3 お勧め「書籍」「映画」コーナー

久々に「映画」にしたい。取り上げるかどうかは見てから考える。

2020年8月23日

最新有料記事サンプル


2020年11月30日配信分
特別特集  いよいよ最終決戦となる米大統領選 これからの世界の金融市場

 いよいよ米大統領選は「米国を古くから支配する民主党をさらに支配する勢力と諜報機関と軍産複合体を含む巨大企業と主要マスコミと中国共産党の連合軍」VSトランプ陣営の最終決戦となっている。

 いつも言うように本誌は決して陰謀論者ではないが、今回ばかりは「米国を古くから支配する」勢力が大規模な選挙…


2020年11月30日配信分
株式市場における今後の「勝ち組」「負け組」  日銀編  前半

 今週は、これも恒例なので2020年上半期(4~9月期)決算を発表した日銀を取り上げる。もちろん一応は上場会社である日銀の株式市場における今後を予想するためではない。

 日銀の貸借対照表や損益計算書をよく見ると、とくに第2次安倍政権が発足し、久々の財務省出身の黒田総裁が就任して2013年4月から始まっ…


2020年11月30日配信分
お勧め「書籍」コーナー

 最近は「堅い書籍」ばかりご紹介しているため、今週は少し息抜きができる書籍にする。

 最近になって議論することが多い米国の、普段あまり考えない各州について分かりやすくまとめた「半分絵本」である。米国には50州あるが、それぞれの旧宗主国も歴史も民族も住民の気質も、そして各州の仕組みも「大変に違…