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The Stray Times(有料版)の予告 第104回目

| 有料版記事予告 | 2021年4月11日 |

 4月12日(月曜日)の夕方に予定通り更新します。以下、予定内容です。

 

1,特別特集   改めて考えるリクルート事件  江副浩正とジェフ・ベゾス

 今週は「何で今さら大昔(1988年)のリクルート事件なのか?」とか「江副浩正(2013年に死去)はリクルート事件を起こしただけではないか?」などと言われるはずである。

 ところが江副浩正は失脚するはるか以前からコンピューター時代の到来を想定して行動しており、その発想は1994年にアマゾンを起業するジェフ・ペゾスとほとんど同じであった。事実2人は30年以上前に「接点」があり、お互いに影響を与え合っていたのである。

 「リクルート事件」とは特捜部の財産となった事件ではあるが、そんな江副浩正を永遠に葬ってしまうほどの大事件だったのか? 事実その頃から日本経済も日本企業も「勢い」を失い、米国さらに中国との差が拡がる。それに最近の「コンプライアンス重視」の風潮が輪をかける。大人しくしていれば潰されないからであるが、そんな経済が成長するはずがない。

 元日経新聞・日経ビジネス編集委員の大西康之氏の最近の記事を参考に、本誌の「知るところ」「考えるところ」をたっぷり付け加える。

他に鬼塚喜八郎(アシックス創業者)とフィル・ナイト(ナイキ創業者)、コンプライアンス重視で追放された鈴木敏文と「普通の会社」になったセブン・イレブンも付け加える。

 
 
今週の「一言加えたい」銘柄    東芝編

 4月7日にCVCによる東芝買収が初期提案されたと思えば、もう世間はすっかり買収が実施されると「前のめり」に動きだしている。すごく「嫌な感じのする」東芝買収を過去の事件まで遡って検証する。

 出した答えは、、、、

 

3,お勧め「書籍」コーナー

 特別特集で参考にさせて頂いた大西康弘氏の著作から厳選したい。

 

2021年4月11日

あの東芝に海外ファンドが買収提案

| 個別企業編 | 東芝 | 2021年4月08日 |

あの東芝に海外ファンドが買収提案

 少し前まで世間を「いろんな意味」で騒がせていた東芝が、また帰ってきた。東芝は4月7日、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズ「など」から買収提案を受け「検討に入った」と発表した。「など」の意味はCVCが中心になってファンド団を組み、2兆円程度で買収するというものである。

 7日の株式市場で東芝の株価は700円高の4530円となり、時価総額も1.74兆円から早くも2.06兆円となっている。

 東芝といえば2015年初めに過去からの「不適切会計」が発覚し、2015年3月期の決算発表が9月まで遅れたうえに2009年3月期から7年分の有価証券報告書を訂正して純損益合計で1552億円もの損失を計上し(これは刑事事件化したオリンパスの合計1178億円より大きい)現任を含む歴代3社長が引責辞任した。しかし最後まで「粉飾ではない不適切会計」だったとして刑事事件化を免れ、東証も管理銘柄にすら割り当てず、安倍政権(当時)を牛耳っていた通産官僚の力が働いたことは明らかである。通産官僚とすればウエスティングを54億ドルもの高値で買わせた「お返し」の意味もあったはずである。

 さらに2016年の年末にそのウエスティングハウスで新たに「数千億円」規模の損失が発生することが明らかになり、2017年3月期には5816億円もの債務超過に陥ってしまった。1年後に解消しなければ今度こそ上場廃止となる。そこでメモリ事業を分離して2兆円で売却することになるが、そこでも何故か「力の落ちる」ベインキャピタルを「異常に」優遇し、最終的には東芝自身が4割を出資して「キオクシア」としてスタートさせる。

 ところが2017年12月には6000億円もの第三者割当増資(発行済み株数の54%)をすべて海外ヘッジファンドに割り当て、この時点で債務超過は解消していた。自ら「物言う株主だらけ」にしたうえで「キオクシア」の売却は強行し、その資金で7000億円の自社株買いを行うなど「ちぐはぐ」な経営を続ける。その東芝が今度は「自分自身」売却することになる。

 結果的に4割を出資する「キオクシア」の新規上場が2020年9月に延期されたとはいえ、いずれ上場すれば1兆円近いキャッシュが入ってくるはずの東芝が、なぜここで買収提案を受けた瞬間に「検討しなければ」ならないのか? 経営に自信があるなら「丁重に」お断りすればよいだけである。

 ここで東芝の現トップは2018年4月に就任した車谷氏である。車谷氏は元三井銀行のホープだったが、元住友銀行との合併後は副頭取止まりであった。そして東芝入りする前の1年間、何と今回「東芝買収」に手を挙げたCVCキャピタル・パートナーズの共同代表を務めていた。また東芝社長には、まだ力があった安倍政権時を牛耳っていた経済産業省が「押し込んだもの」であるが、安倍政権も終わり経済産業省の「強力な後押し」が期待できなくなった車谷社長が、新たにCVCと「握った」と考えるのが自然である。

 確かに2017年12月の6000億円増資で「物言う株主だらけ」となった東芝の社長として、車谷氏は7000億円もの自社株買いを「奮発」したものの「物言う株主」からは全く評価されておらず、自身の取締役選任議案などすべて50%台の議決権しか集まらない「綱渡り」だった。とくに2020年6月の定時株主総会では信託銀行と組んで「好ましからざる株主」の議決権を時間切れで無効にするなど、これまでも露骨な多数派工作を行っていた形跡がある。

 そこで車谷社長は古巣のCVCと組んで、「物言う株主」を一掃すべく非上場化し、「勝手気ままな経営」を行おうと考えたとしてもおかしくはない。

 何度も書いているが本誌は日本企業を安直に海外勢(とくにハゲタカ)に売り渡す行為は背信行為であると考える。さらに最初からCVCと車谷社長が「握っていた」なら、背信行為以上のサラリーマン社長の会社私物化である。

 ところが株式市場はそんなに甘くない。まず「物言う株主」にとって「攻めどころ満載」の東芝と車谷社長に対して簡単に屈するはずがない。とりあえずCVCの「予算」である2兆円では話にならず3兆円くらいの攻防となるはずである。これは東芝が過小評価されているとか車谷社長の経営手腕に期待しているわけでもなく、超金融緩和で投資物件が少なくなっているからである。だから赤字の新規上場銘柄が超高値になり、SPACのような怪しげなスキームまで大活況となるわけである。

 CVCはもともとプライベートファンドで資金調達力に劣る。従って車谷社長と「握っている」CVCが買収できる保証はどこにもなく、もっと「えげつない」ハゲタカファンドの手に落ちる可能性もある。またCVCでもハゲタカでも車谷社長よりもっと「ファンドに利益をもたらす」かつてのゴーンのような社長を引っ張ってくるはずである。

 どう考えても車谷社長の「思惑通り」にコトが運ぶ可能性は少ない。また東芝の悲劇が始まりそうである。

2021年4月8日

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