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The Stray Times(有料版)の予告 第105回目

| 有料版記事予告 | 2021年4月18日 |

 4月19日(月曜日)の夕方に予定通り更新します。以下、予定内容です。

 

1,特別特集  最初から違和感があったユニゾのEBO  地銀を巻き込んだ問題化の予感

 ユニゾHD(以下、ユニゾ)は2020年4月に日本初のEBO(従業員による買収)を行い、自ら東証一部から上場廃止とした旧みずほグループの不動産会社である。

 ところがそこから1年後の現在、大変な資金不足に陥っている。借入先には地銀が65行もあるため、金融庁も重大な関心を寄せており問題が大きくなる予感がする。

 そこで今週は、もう一度最初に遡って「この複雑なユニゾ問題」を解明する。

 
 
2,今週の「一言加えたい」銘柄    コインベース編

 4月14日に米NASDAQに直接上場した仮想通貨業界の最大手・コインベースの当日の時価総額が8兆円に達した。この時価総額はNY証券取引所などを傘下に持つICE(インターコンチネンタル取引所)よりも大きく、日本取引所グループの数倍もある。

 「バブルだ」と言ってしまうことは簡単であるが、その前にいろいろ考えておきたい。少なくとも(バブルが破裂するとすれば)その「予知銘柄」にはなりそうである。

 

3,お勧め「書籍」コーナー

 未定です。

 

2021年4月18日

再び迷走が始まった東芝

| 個別企業編 | 東芝 | 2021年4月15日 |

 東芝は4月14日、車谷社長兼CEOが同日付で辞任し、後任に前社長の綱川会長が就任すると発表した。また東芝は、同日午前の臨時取締役会で車谷氏が辞意を表明し、その場で受理され、続いて綱川氏の社長就任を決議したと記者会見(車谷氏は欠席)で明らかにしている。

 これが平均的な各報道機関による発表であるが、実際はもっと「ドロドロ」していたはずである。

 三井住友FGの副頭取だった車谷氏は、英プライベートファンドCVCの日本代表を経て2018年に東芝入りし、社長次いでCEOに就任していた。安倍政権時代に権力を誇った経済産業省の「官邸官僚」に推されたはずである。

 その車谷氏は本年3月ころ指名委員会に同6月の定時株主総会において(取締役の)再任はないと通告されていた。社内の幹部社員からも「物言う株主」からも全く支持されなくなっていたからである。

 一向に辞任する気配のない車谷氏に対し、指名委員会は4月7日に解任を決議する予定だった。

 ところがそのまさに4月7日の早朝、東芝はCVCから買収提案を受けたとIRした。CVCは車谷氏の「古巣」で、しかも現経営陣の体制維持を条件としていたことが後から明らかになる。つまり車谷氏が社長兼CEOの座になければ買収しないという意味であるが、余計に「出来レース」であることがバレてしまった。自身の地位保全のために東芝を海外ファンドに売り渡す重大な利益相反である。

 そこで4月14日に臨時取締役会で車谷氏の解任決議が行われることになり、その直前に車谷氏が辞任したことになる。「潔い」からではなく、利益相反を東芝内外から批判されるなら、さっさと辞任してCVCと組んで「買収側」となり、買収が成功すればまた堂々と乗り込むつもりだからである。

 しかしエリート銀行マンだった車谷氏は、あまりにも株式市場や「物言う株主」をナメており、そう簡単にコトは進まない。CVCは典型的なハゲタカではないが資金調達力に乏しく、世界にはもっと大型で「えげつない」ハゲタカファンドが投資機会を求めてウヨウヨしている。早速、世界最大級のKKRが手を挙げており、争奪戦が始まりそうである。これは東芝が魅力的だからではなく、単に溢れかえる投資資金に対して投資案件が少ないだけである。

 CVC以外には、車谷氏に経営を任せる「おめでたい」ハゲタカなどいるはずがない。というよりCVCも同じように考えているはずである。

 そこで今週は、ハゲタカによる企業買収の「とんでもない」のカラクリを解説したい。

 せっかくなので東芝を例にするが、最終的に総額3兆円ほどの買収価格になるはずである。4月7日以前の時価総額の倍近いため、東芝の一般株主は儲かったように感じる。ところが1つのハゲタカが買収したとすると、そのハゲタカが3兆円を用意するわけではない。
せいぜい1兆円で、残る2兆円は外部負債(つまり借金)である。

 TOBにより買収に成功すると定款変更で全株取得して非上場化するが、そこで買収のために設立したペーパーカンパニーと東芝を合併させてしまう。つまり東芝は「自分自身を買収するために」ハゲタカが借りた2兆円を押し付けられ、今後は設備投資もできず、リストラを強制され借金返済を優先しなければならない。非上場となっているため開示の必要がなく、どんな傍若無人でも目立たない。

 一方で上場廃止となった東芝の全株式(全議決権)はハゲタカが全て押さえているため、再上場となれば上場益はハゲタカが独占する。よく非上場化して「思い切った経営」で企業価値を増大させるといが、嘘っぱちである。普通は負債の増加で企業価値は毀損しているが、再上場となれば「超楽観的な業績予想」を立てて売り出し価格を高値に引き上げる。また最上場時もハゲタカの保有株売り出しが優先されるめ、東芝が設備投資などに調達資金が使える公募増資は行われない。

 ここで再上場時の東芝の時価総額が(借金が増加して財務内容が悪化しているが)同じ3兆円とすると、ハゲタカのコストは1兆円であるため「何もしないで3倍の儲け」となる。

 もっと正確に言うと、ハゲタカの利益を最大化するために、日本の一般株主は「財務内容が大幅に悪化している」東芝を、再び高値で買わされることになる。最近は新規上場株への人気もあり、ますますハゲタカは「濡れ手に粟」となる。だから上場企業に対する買収案件にハゲタカが群がるのである。

 従って「どんな綺麗事」を並べても、ハゲタカに企業を売り渡すことは「背信行為」であり、ましては自身の地位保全のため東芝を売り飛ばそうとした車谷氏は「国賊行為」である。東芝取締役会は買収提案を受けたからといって東芝をCVCやハゲタカに売り渡す必要は全くない。ただ正直に言うとそれでも東芝は「3兆円を大きく超えるようなら売り飛ばして苦労させ、ハゲタカだけが儲かる再上場は当分の間は認可しない」ことも必要かもしれない。

 ましては社長に復帰する綱川氏は東芝メモリ(現キオクシア)の売却で、ベイン・キャピタルなる「三流のハゲタカ」に独占交渉権を渡してしまい、大変な追加出費となった「ご仁」である。また同じドタバタが始まりそうである。

2021年4月15日

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