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ロシアのウクライナ侵攻は「長期化」する 

| 政治・政策提言 | 日本 | 欧州 | 米国 | 中国 | 世界情勢 | 2022年3月16日 |

ロシアのウクライナ侵攻は「長期化」する 

 2月24日にロシア軍がウクライナ全土に侵攻してから21日目に入った。当初は短期で決着がつくと予想されていたが、ウクライナ国民の結束は固く首都キエフも陥落していない。

 バイデンは侵攻直前の2月18日に「ロシアが近々ウクライナに侵攻する十分な証拠がある」「米軍はウクライナに派兵しない」と発言していた。この時点でプーチンの周囲に米国情報機関のスパイがいることと、米軍を派兵しないという2つの重要情報を漏らしたことになる。

 今回のロシアのウクライナ侵攻は、戦争をビジネスとしか考えない米国軍事産業とそれに癒着する大物政治家(あわせて「ネオコン」と呼ぶ)が、プーチンをNATOの東方拡大で挑発した構造でしかない。

 ブッシュ(息子、共和党)政権時代のチェイニー副大統領が「典型的なネオコン」で、2001年9月の同時多発テロを理由としてアフガニスタン戦争(2001~2021年)、大量破壊兵器があるとの(いい加減な)理由でイラク戦争(2003~2011年)を引き起こし、ネオコンを大いに潤わせた。

 次のオバマ(民主党)政権時代は、ヒラリー国務長官(当時)がネオコンの代表で、アラブの春、リビア内戦、シリア内戦、イエメン内戦、ロシアによるウクライナ侵攻(2014年)など戦闘や動乱が多く、やはりネオコンは潤った。ネオコンは共和党にも民主党にもいる。またオバマの後継大統領候補はバイデン副大統領ではなく「大物ネオコン」のヒラリーとなった。

 ここで「ネオコン」が仕掛けた(少なくとも関与した)戦争や内戦は「だらだらと長く続く」ものである。同じ戦争から長く稼ごうとするからである。さらにアフガニスタンに潜入していたビン・ラディン、イラクのフセイン元大統領、リビアのカダフィなど大物悪役を「仮想敵」に仕立てて戦争を正当化することも常套手段である。

 ところが2016年の大統領選は「大物のネオコン」のヒラリーが、政治経験がない不動産業者の(軍事産業を含むネオコンとは親しくない)トランプに敗れた。当然にトランプ政権内にもネオコンがいなくなってしまった(後にネオコンのジョン・ボルトンが加わるがすぐに解任された)。当然にトランプ政権時代は大きな戦争がなく、ネオコンは干上がってしまった。これが2020年の大統領選でトランプが敗れた最大理由である。

 その2020年の大統領選は、「小物ネオコン」のバイデンが「あからさまな不正投票」を積み上げて当選してしまった。政権内では、オバマ政権1期目だけ国務長官だったヒラリーが採用したブリンケン国務長官、ビクトリア・ヌーランド国務次官、サリバン国家安全保障担当補佐官など「官僚のネオコン」が今回のロシアによるウクライナ侵攻を煽り立てている。

 ここでは明らかにプーチンが「仮想敵」となっている。またヌーランド国務次官は侵攻前のウクライナで反ロシアデモを先導していた映像もある。

 たしかにプーチンの行動は「人道面」で非常に問題があるが、米軍事産業も対戦車ミサイル「ジャベリン」など大量の武器を欧州諸国を通じてウクライナに供与している。これは欧州諸国が「ジャベリン」などをウクライナにタダで供与しているが、欧米諸国は米国軍事産業からこれら武器を購入する。また米軍はドイツ、ポーランド、ルーマニアなどに派兵しているが、これも輸送、設備、食料供給などを独占するネオコンの収益源となる。

 これだけでも今回のロシアによるウクライナ侵攻が簡単に終結しない(させない)ことが予想できる。ロシアの戦闘余力から「5月ころ」にはロシアはウクライナから撤退するとの予想が出ているが、ネオコンは第三国を通じてロシアやベラルーシにも武器を販売できる。久々に出てきた大型ビジネスは大切に続けるはずである。

 ここで主要な米国軍事産業とは、大きい順にボーイング、ユナイテッド・テクノロジーズ、ロッキード・マーチン、ハネウェル、ノースロップ・グラマン、レイセオンと続く。あの東芝が高値で買う以前に切り離されていたウエスティングハウス軍用部門も健在である。またバイデン政権のオースティン国防長官も就任前はレイセオンに天下っており、やはりネオコンである。

 ここでロシアのウクライナ侵攻が長期化するということはロシアへの経済・金融制裁も長期化してロシア経済を疲弊させるが、同時に米国あるいは世界の経済活動、ロシア進出企業の事業継続、それにエネルギー・穀物など物価にも悪影響を与える。本年11月に中間選挙を控えたバイデンは、ロシアの活動が制限され不良債権が積みあがる米国企業や、ガソリンや穀物などの物価上昇で米国消費者の不満が高まると逆効果になる(その可能性が高い)。

 またロシアへの経済・金融制裁の長期化は中国を一方的に利する。もともとバイデンは親中でもあるため、そこは見て見ぬふりをするはずである。そうすると中国もロシアも北朝鮮も「隣国」である日本への圧力が増し、肝心の米国はアテにならないことになる。

 親中の外務大臣だけでなく、親ロシアの外務副大臣まで抱える岸田政権では心もとない。

2022年3月16日

 
 

The Stray Times(有料版)の予告   151回目

| 有料版記事予告 | 2022年3月13日 |

The Stray Times(有料版)の予告   151回目

3月14日(月曜日)の夕方に予定通り更新します。以下、予定内容です。

1 特別特集  環境が激変するなかの世界の株式市場

2月24日にロシアがウクライナに侵攻してから2週間半が経過した。その間に世界の政治・経済を取り巻く環境が大きく変化しているが、それに比べてまだ金融市場の変化が少ないような気がする。さらに各中央銀行の金融政策はウクライナ侵攻直前の「方向」を変えていない。

欧米各国が経済・金融制裁を強化する中でロシアのデフォルトリスクが急激に高まり、世界の経済活動が分断され、原油などほとんどすべての物価上昇が加速している。そんな中でFRBは「予定通り」に利上げを開始し、間もなく総資産縮小に取り掛かるはずである。

物価上昇が加速しているため他に選択肢はないが、そこから先の世界経済や株式など金融市場へのリスクが「さらに」高まる。

2  今週の「評価すべき銘柄」   アマゾン

 先週はウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイを取り上げたので、今週はそのバフェットをして「株式を買わなかったのは愚かだった」と言わしめたアマゾンである。

 3月9日にアマゾンは1:20の株式分割と最大100億ドルの自社株買いを発表した。株式分割は23年ぶり(1:2だった)、自社株買いは2016年から21億ドル実施しているだけで、配当(創業以来無敗)を含めて株価対策にあまり熱心ではなかったアマゾンが変わるのか?

 また同じく1:20の株式分割を発表しているアルファベット(グーグル)とともに、NYダウ採用銘柄となる可能性が高まっている。

3、お勧め「書籍」コーナー

 未定です。

2022年3月13日

最新有料記事サンプル


2022年5月23日配信分
今週の「警戒すべき」銘柄   楽天グループ

今週の「警戒すべき」銘柄   楽天グループ

 まずあまり関係がなさそうな話から始める。

 先週末(5月20日)に発表された4月の全国消費者物価指数は、総合で前年同月比2.5%上昇(3月は同1.2%上昇)、除く生鮮食料品では同2.1%上昇(3月は同0.8%上昇)と、消費税上げの影響を除くと2008年9月以来…


2022年5月23日配信分
特別特集  米国株はまだ下がるのか、そろそろ下げ止まり反発するのか?

特別特集  米国株はまだ下がるのか、そろそろ下げ止まり反発するのか?

その1  最初に問題提起

 米国株を中心に考える理由は、依然として米国株の動きが世界の株価に大きな影響を与えているからと、米国の物価、経済活動、企業業績、金融政策等が株価に与える影響が比較的「理論通り」だからである…


2022年5月23日配信分
お勧め「書籍」コーナー

お勧め「書籍」コーナー

 今週は百田尚樹氏が書いた「最初のミステリー」が文庫化されたタイミングでご紹介する。実は百田氏の作品は「日本国紀」が同じように文庫化されたタイミングで読んだだけである。

 このコーナーでもご紹介した日本通史であるが、ところどころ創作が入っており、歴史書なのか歴…