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もう一度だけ東京オリンピックを総括する

| 政治・政策提言 | 日本 | 2021年8月14日 |

もう一度だけ東京オリンピックを総括する

 8月8日に東京オリンピックが閉幕した。日本選手団の活躍で「それなりに」盛り上がったことは事実であるが、やはり大きな問題が残された。そこで今回は、その大きな問題を中心に「もう一度だけ」東京オリンピックを総括してみたい。

 まずコロナウイルスの感染爆発である。オリンピック前から「かなりの」感染爆発が警戒されていたが、実際はその警戒レベルをはるかに超える惨状となっている。

 7月9日に現在も継続されている緊急事態宣言が東京と沖縄に出されたが(実施は7月12日から)、その日の東京の新規感染者は896人だった。それが開会式の7月23日に1979人、昨日の8月13日に5773人と急拡大している。また同日付における全国の新規感染者はそれぞれ2262人、4349人、20365人とさらに拡大している。緊急事態宣言は東京、大阪など6都道府県となり、さらに全国レベルまで拡大されそうである。

オリンピック前までは「開催に漕ぎつけるため何が何でもコロナを抑え込む」と必死だった政府の対応も、オリンピック期間中から明らかに「他人事」となり決定的に後手に回った。またマスコミも依然として感染爆発とオリンピックを関連づけず、世間もさらに一方的な負担を押しつけられるだけで反発も大きい。

 この状態は明らかに菅政権の目論む政治日程を狂わせる。当初の予定ではオリンピック大成功、支持率急拡大、できるだけ早いタイミングで臨時国会を召集して衆議院解散、さらなる補正予算、与党が過半数確保、総裁選で菅首相再選の順番だった。自民党総裁任期の9月末は少し延長になっても10月にはすべて決着させることが、オリンピック開催強行の最大目的だったことになる。

 それが狂った。これでますます8月24日開催のパラリンピックも開催強行せざるを得なくなった。オリンピックが「成功」すれば政治日程を前倒し、パラリンピックは「少しの」感染拡大を理由に中止して、さらなる総選挙への追い風とするつもりだったと考える。それに加えて衆議院解散も10月21日の任期ギリギリまで待ち、総選挙も最大11月28日まで引き延ばさざるを得なくなった。自民党総裁選のタイミングも最大で衆議院選後まで引き延ばすしかない。
 
 しかしこれは単なる「時間稼ぎ」でしかなく、その間に感染爆発が「完全に」収束していなければならないが、まずそうはならない。

 そこで考えられるシナリオは衆議院選惨敗=政権交代という「悪夢」でしかない。政権与党・公明党の支持母体である創価学会はコロナで得意の対面勧誘ができず、頼みのワクチンも感染力の強い変異種(デルタ種)に対しての効果が疑問視され始めている。

 それでは現在の野党に政権交代ができるまでの支持が集まるのか?であるが、日本共産党まで含めた野党連合が結束すれば「ありえない話」ではない。つまり日本の憲政史上初めて「日本共産党の影響力が強い政権」が誕生してしまう恐れまで出てきたことになる。

 日本共産党は中国共産党と決定的に対立はしているが、これは「悪夢」でしかない。しかし菅政権の「他人事」と「勝ち目の少ない時間稼ぎ」が、その可能性を日々拡大していることになる。東京オリンピックを政治目的に使った菅政権の明らかな自滅である。

 さらにその東京オリンピックの最終収支も想定を上回る4兆円ほどの損失となったようであるが、その最大戦犯の大会組織委員会は「さっさ」と解散して責任追及されない。招致委員会と同じである。そのツケが回る東京都の小池知事は国政復帰しか頭になく、コロナも4兆円も「全くの他人事」である。

 もう1つの戦犯は、東京オリンピックの「独占マーケティング専任代理人」としてすべてのカネの流れから手数料を取り、大会組織委員会とともにすべての決定に関与してきた電通である。

 電通が過剰介入した結果が、あの眩暈がするほどお粗末だった開会式と閉会式である。カネが必要以上にかかっただけでなく、日本の芸術センスが「あの程度」だと世界に間違った印象を与えてしまった。電通に外された演出責任者のMIKIKOさんを始め、電通さえ絡まなければ日本の芸術センスは高い。

 電通といえば、昨年のコロナ対策「持続化給付金」の支給についても、サービスデザイン推進協議会なるトンネルを通じて769億円もの報酬の大半を「何もせずに」受け取っている。コロナ対策の報酬はそれだけではなかったはずで、現在の感染爆発に乗じた新たな報酬も受け取ることになる。

 ところがそんな「濡れ手に粟」商法の電通の決算からはその詳細が一切読み取れない。というより電通の2020年12月期決算は巨額赤字で、2021年12月期決算も本社ビルの売却益以外は目立った利益が期待されていない。

 つまり電通はコロナでもオリンピックでも「濡れ手に粟」商法を繰り返しながら、上場会社として最低限の情報開示も収益計上もない。どこかに消えているか、本業の赤字補填に使われているだけである。

 つまり今回の東京オリンピックは、コロナ感染爆発、政権交代のリスク拡大に加えて、そんな電通の存在意義など「とっくに」無くなってることが改めて認識されただけである。

2021年8月14日

 

The Stray Times(有料版)の予告   121回目

| 有料版記事予告 | 2021年8月08日 |

The Stray Times(有料版)の予告   121回目

8月9日(月曜日)の夕方に予定通り更新します。以下、予定内容です。

1,特別特集   2つのニクソン・ショックから50年を振り返る

 今から約50年前の1971年7月15日、ニクソン大統領(当時)が電撃的な訪中を発表した。また同年8月15日には緊急テレビ会見で金・ドルの交換停止を発表した。どちらも日本を含む関係各国には何の事前説明もなかった。

 この2つをニクソン・ショックというが、それぞれ関連したものではなかった。しかしどちらも世界の外交と経済・金融の仕組みを大きく変えたまま現在に至る。逆に言えば50年前にニクソンはその後の世界の方向を大きく変えていたことになる。

 つまり50年前の「昔話」ではなく、「今後」を考えるにあたり「重大なヒント」を思い出すための特別特集である。

2,今週の「一言加えたい」銘柄    野村証券とロビンフッド編

 何かにつけて極端に対照的な新旧・証券会社の比較である。例えば株式時価総額は、上場したばかりのロビンフッドが野村証券(野村HD)の3倍近くもある。
 
 
3,お勧め「書籍」コーナー
 
 まだ未定。

2021年8月8日

最新有料記事サンプル


2021年10月18日配信分
特別特集   円安を止めるべし!

特別特集   円安を止めるべし!

 円安が進んでいるが、このタイミングでの円安進行は日本をますます貧しくするだけの「非常に悪い円安」で、早急に止める必要がある。これまでも何度か書いてきたが、今週はこのポイントに絞って、過去の検証も加えて詳しく書きたい。

 その前に、先週(10月11~15日…


2021年10月18日配信分
お勧め「書籍」コーナー

お勧め「書籍」コーナー

 今週も、中国に関連する「書籍」である。地政学的に中国の脅威に最も晒されている国が日本であるため、中国の知識はいくらでも吸収しておかなければならない。

「米中対立」  佐橋亮・著  中公新書   1034円

 「アメリカの戦略転換と分断される世界」との副題が…


2021年10月18日配信分
今週の「一言加えたい」銘柄     「日本国」編

今週の「一言加えたい」銘柄     「日本国」編

 今週は、言い間違いでも考え違いでもなく「日本国」である。もちろん「日本国」は銘柄ではなく、企業組織でもなく、もちろん株式市場に上場しているわけでもない。

 しかし日本の財政を所管する財務省、主要マスコミ、それにカイル・バス(注)のよ…