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アングラ中国資本の日本株式市場侵入に警戒すべし

| 経済編 | 中国 | 日本 | 2021年12月29日 |

アングラ中国資本の日本株式市場侵入に警戒すべし

 中国内では習近平による締め付けが厳しくなっている中国資本は、米国市場からも締め出されつつある。そんな状況下で、とくにアングラに近い中国資本が大挙して向かう先こそ、距離的に近く、規模が大きく、規制が厳しいようで海外勢には抜け穴も多い日本の株式市場である。

 もともと日本の株式市場は海外勢に「ボロ儲け」の機会を提供してきたが、とくに中国勢による「不正に近いボロ儲け」の例は多い。そして最近の中国の状況を反映して、水面下でアングラに近い中国資本が蠢き始めている。最大の問題は、「黒幕」が特定できず、日本の金融当局も手が出せず、まさに「やりたい放題」となるところである。

 過去には2007年に東証一部に上場したチャイナ・ボチー(中国傳奇)のように、中国本土のビジネスと関係があるように装った「単なるオフショアのペーパー・カンパニー」が高値で株式を売り出し、調達した資金の行方もよくわからず、最後は新規上場時株価の10分の1以下でMBOを行い蓋をしてしまったなどの例がいくつかあった。

 現在もまだビート・ホールディングス(旧・新華ファイナンス)が東証外国部に上場しているが、7月の株主総会で承認させた資本充実策が一向に実施される気配がなく、単なる株価吊り上げ・売り抜け策だったとしか思えない。

 中国資本が絡んだ不正の中でも「大胆な例」は、上場している経営不振企業に大株主などとして乗り込み、その企業の資産を巧妙に抜き取る手法である。その会社に十分な資産がなくても、中国拠点を「商流」に巻き込めば「びっくりするほどの」巨額資金が抜き取れる。

 その代表的な例が2015年に破綻した江守商事で、中国の取引先への700億円近い「製品」の販売代金が焦げ付いていた。その700億円近い「製品」を転売した(700億円に近いはずの)資金が、中国の闇に吸収されたことになる。最初から仕組まれていたはずである。

 また2020年5月に民事再生を申請するも認められず破綻したレナウンは、2010年に大株主として登場していた山東如意科技集団に対する53億円の売掛金未回収が直接の破綻原因となった。出資資金が回収できないため「製品」で回収したとしか思えない。

 しかし最も多い事例は、経営不振が続く日本の上場企業の株式を買い集めて(または第三者割当増資や新株予約権を引き受けて)経営陣を送り込む。そして怪しげなIRを連発して株価を吊り上げて売り抜けを図るか、新株発行の払込資金を含めた会社資金を巧妙に抜き取るか、最後は会社資産をそっくり抜き取る(先述の「製品」で抜き取る)など「やりたい放題」となる。

 よく耳にする中国資本が日本の上場会社の経営権を狙うケースは、だいたいがこの最後のケースであり、ここにきて水面下も含めて急増している。本日(12月28日)もセントレックス上場の21Ladyが実態のよくわからない中国資本(らしきもの)に対する第三割当増資を発表しているが、発表前に株価が急騰していた。
 
 だいたい「あの」中国の資本が、日本経済や株式市場の発展のために資金を投入するなどと期待しないほうが良い。そもそも黒幕がわからず、その資金も「不正蓄財の逃避資金」の可能性も強い。

 あまり「実例」をたくさん挙げることは控えるが、チェック機能がほとんど働いておらず、警戒するに越したことはない。

2021年12月29日