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岸田政権の喫急の課題は「憲法改正」「国防強化」「核装備」

| 政治・政策提言 | 日本 | 2021年11月12日 |

岸田政権の喫急の課題は「憲法改正」「国防強化」「核装備」

 11月10日に第二次岸田政権が発足した。正確には10月14日に発足していた第一次岸田政権が10月31日の総衆議院選挙を経て岸田総裁が再任されたため、11月10日に総辞職して後継の第二次政権となった。閣僚は幹事長に転出した茂木敏充氏に代って林芳正氏が外務大臣に就任しただけで、あとは全員留任となった。

 ところが派閥バランスを重視した「気配りの」第一次安倍政権から2人だけ交代した茂木幹事長(正確には閣僚ではなく党役員)と林外相は、共に「言わずと知れた」親中派であるため、第二次岸田政権が「たった2人の交代で一気に」親中旋回となってしまった。

 そもそも岸田政権とは、安倍政権と菅政権時代の「官僚組織を人事権でコントロールしていた政権」からの決別、すなわち官僚組織(とりわけ財務省)の復権を意味する。つまり緊縮財政・増税時代への逆戻りである。岸田首相の選挙公約でもあったコロナ対策の大規模財政支出も18歳未満への給付金の総額2兆円が目玉という「しょぼい」ものである。今回は
国防政策が主題であるため、経済・財政政策はこれくらいにする。

 先の衆議院選では第一野党の立憲民主党が拙速な共産党との閣議協力で「自滅」したため、岸田政権は一応国民の信任を得たように見えるが、そこに出てきたのが急激な親中旋回である。このままだと先進国で唯一決議できていない中国批判決議も、北京冬季オリンピックの政治ボイコットも吹っ飛び、本年中に「コロナウイルス」まみれの中国人観光客受け入れが始まってしまう。その先は「まさかの習近平国賓来日」の復活である。

 余談であるが共産党の常套手段は「やどかり戦法」である。毛沢東率いる弱小の中国共産党が、蒋介石の国民党に第一次・第二次国共合作で中に入り込み、戦闘はすべて国民党に任せて疲弊させリクルートやプロパガンダで国民党を中から食い荒らし、戦後に台湾に追いやって中国全土を乗っ取ってしまった。日本共産党も立憲民主党を中から食い荒らして乗っ取ってしまうはずで、今回の結果に安心していてはならない。

 また日本の主要マスコミが意識的に隠すため危機感が伝わってこないが、最近(正確には衆議院選の政治空白期間に)中国それにロシア、北朝鮮の軍事的脅威が一段と増した。10隻の中ロ艦隊が堂々と津軽海峡と大隅海峡を横切り(過去の遺物で真ん中に公海があるため)悠然と日本を一周して威嚇していった。それより中国は原爆搭載可能の極超音速ミサイルを推定600発装備し、日本の全域をすでに射程圏としているが既存の迎撃システムでは全く役に立たない。エネルギー価格上昇で息を吹き返したロシアも同様の開発を急いでいる。

 中国は2月に成立させた「海警法」で中国海警局が人民解放軍傘下となり(つまり軍隊となり)当然に武器使用が認められるが、日本で対峙する海上保安庁を自衛隊に組み込んでもそもそも戦闘行為や自由な武器使用が認められていない。

 またあまり知られていないが中国には2010年に成立した国防動員法なるものがあり、中国内にいる外国人・外国企業も、逆に外国に居住する中国人も、中国共産党の指令があればいつでも破壊活動に参加しなければならない。中国では共産党が独裁する全人代で簡単に法律制定や改正(改悪)が出来るため、海警法や香港国家安全維持法のような「恐ろしい法律」がいつでも出現する。

 そんな中国に対峙するためには「少なくとも」自衛隊を正式な軍隊として交戦権を認める憲法9条改正は喫急の課題である。今回の衆議院選では自民党と(一応連立を組む)公明党と維新と国民民主党を加えれば改憲発議に必要な3分の2は確保できた。しかし衆議院選前でも衆参両院とも3分の2は確保していたため、自民党自体が(或いは必ずしも改憲に賛成していない公明党に遠慮して)改憲に後ろ向きだったことになる、比較的右派の安倍政権時でも改憲論議が盛り上がらなかった。

 もうそんな悠長で平和ボケしていられる状況ではない。

 日米安保条約があるといっても「身内の民主党保守派からも愛想をつかされた」バイデン政権はすでに「死に体」で、中間選挙まで持つかどうかもわからない。先日の中ロ艦隊の日本一周に際しては、米軍の超音速爆撃機B-1Bランサーが飛来し、日本の航空自衛隊機が援護したため中ロ艦隊もそれほど威嚇活動ができなかった。これは局地戦なので米軍との連携がうまくいったが、核弾頭搭載の極超音速ミサイルが着弾するなど「本格有事」に際して、一応は米軍最高司令官のバイデンが「正しい」判断を下せるかの保証はない(たぶん無理である)。

 しかし日本は岸田・親中旋回政権のもとで何が何でも「憲法改正」に踏み切らなければならない。さらに「中国非難決議」「北京オリンピック政治ボイコット(選手は派遣する)」「RECEP脱退」「台湾のみのTPP加盟」それに「スパイ防止法成立」などを動員して中国を孤立させなければならない。

 そうしなければ1年以内に尖閣諸島は中国に占領されてしまう。ここで台湾も尖閣諸島の領有権を主張しているが、これは歴史的背景があり、中国の領有権主張とは全く意味が違う。誤った論評に注意すべきである。

 もちろん表題にある「国防強化」も当然に喫急の課題であるが、最後の「核装備」はどういう意味なのか。日本には非核三原則があるが、これは憲法の規定でも国内法でもない。確かに「持たず」「作らず」は核拡散防止条約等の批准で禁止されているが、3番目の「持ち込まさず」は国際法的根拠がないとされている。そこで原子力を動力として利用するだけの原子力潜水艦建造(あるいは輸入)と「核兵器を(米国から借りてきて)国内配備する」は現行の枠組みの中でも可能のはずである。

 原子力潜水艦については核保有国ではないオーストラリアに米英が配備する取り決めで、日本も多少は金がかかっても「絶対に」参加すべきである。また「核配備」については、米軍が核兵器を日本に持ち込んでいたことは「公然の秘密」であるため、それを復活させて公にするだけである。

 それらの基本的な考え方は、核兵器とは相手国(主に中国)と対等に保有して睨みあうことにより初めて抑止力になるからである。米国は冷戦の名残で7000発もの過剰核弾頭を保有して維持費もバカにならない。かなり旧式になってものも多いが「保管場所」を提供するだけである。決して過激に考えているわけではなく、それが最も簡単で平和に近い方策と確信するからである。

 さて最大の問題は、安倍・菅政権でも実現しなかったこれら重要政策を、「気配り重視」から早くも親中旋回となった岸田政権で可能なのかである。全く実現できなければ、その前にその気配すら見えないなら、国民を護るつもりのない軟弱政権として早々に「お引きとり」を願うしかない。

 本誌の「意中の政治家」は岸信夫・防衛大臣である。例によって全く報道されていないが「腹の据わった」決断をいくつも下されている。

2021年11月12日