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東京オリンピック開会式まで強行する国家的リスク

| 世界情勢 | 2021年7月23日 |

東京オリンピック開会式まで強行する国家的リスク

 本日(7月23日)午後8時から東京オリンピック開会式が行われる「はず」である。「はず」と書いたのは、開会式までに何が飛び出すか想像がつかないからである。

 東京オリンピックそのものは、懸念された通りコロナ感染者が激増している事実を全く無視して開催される。とにかく開催さえすれば巨額利益が転がり込むIOCのバッハ、同じく開催しなければならない「事情」があるらしい東京オリンピック組織委員会と電通らが「見苦しい」利権確保に走った結果、国民の命と安全が完全に損なわれることになってしまった。

もう一部競技が始まっているが、各国選手団や役員の中でも感染が拡大し始めている。

 それに加えて、開会式直前になってその演出を取り仕切るメンバーに問題がぽろぽろ出てきて、「国民の命と安全」に加えて「日本の国際的評価と品格」まで大いに損なわれている。

 「国民の命と安全」はもう十分に損なわれているため、ここでは「日本の国際的評価と品格」まで損なわれる背景について書いておく。開会式を演出する責任者とメンバーが、オリンピック組織委員会と電通らの「犯罪的無責任」によって損なわれる仕組みである。

 そもそも開会式の統括演出責任者は最初が映画監督の山崎貴、その次が野村萬斎だったが、共に企画にケチをつけられて降板する。3人目がテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のダンスを手掛けたMIKIKOさんとなる(この後も含めて「さん」を付けるのは彼女だけである)
 
 MIKIKOさんは不眠不休で企画案を作り、あのIOCからも絶賛された。そこになぜか電通出身のクリエイティブディレクターという「怪しげな肩書」の佐々木宏なる人物が割り込んでくる。2020年12月のことである。

 電通が組織委員会の森喜朗会長(当時)に働きかけて、新たな利権確保のために送り込んだ66歳の「老人」は総合統括となる。年齢よりも電通に胡坐をかいた仕事しかしてこなかった「老人」がクリエイティブなはずがない。

 案の定、佐々木は電通と森喜朗の威光を笠に着てMIKIKOさんを追い落としにかかる。すでに500人の大世帯となっていたMIKIKOチームの案を無視して、「自分が開会式をすべて取り仕切る」と言い出す。佐々木の案とは「眩暈がするほど酷い」もので、さすがのIOCもMIKIKO案を支持する。そこで佐々木はMIKIKOさんを徹底的に無視して辞任に追い込んでしまう。彼女の500名のチームは宙ぶらりんのまま放置された。

 その森喜朗も2021年2月に女性蔑視発言で辞任に追い込まれ、佐々木ももっと低レベルの蔑視発言で電通にまで梯子を外され3月に辞任する(実際は解任)。

コロナの感染拡大でオリンピック開催そのものの是非が問われる中で、7月14日になってようやく組織委員会にいた日置貴之が統括演出責任者となる。なぜか外国人2名が補佐に指名されており、開会式及び閉会式の各演出メンバーも大急ぎで発表された。わずか8日前の話である。

つまり「実力」はもちろん「過去の悪行」なども全くチェックされていない「輩たち」が寄せ集められたことになる。東京オリンピック開催強行の是非はさておいても、日本の演出力や品格に世界中の目が注がれる開会式が(閉会式も)、こういう泥縄式に指名された「輩ども」に委ねられたわけである。

案の定、小山田圭吾と小林賢太郎の過去の問題が発覚し、それぞれ辞任と解任に追い込まれた。開会式までに(もっと怖いのは開会式後に)さらに問題人物が発覚する可能性は高い。それで日本の国際的評価と品格までさらに貶められたら、その責任は誰がとるのか?

組織委員会と電通が直接的な犯人であるが、菅首相や小池都知事も含めて「誰も」責任など取らない。かくして「国民の命と安全」に加えて「日本の国際的評価と品格」までが損なわれることになる。

2021年7月23日