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「中国」をよく理解しなければ戦えない

| 政治・政策提言 | 中国 | 2021年7月02日 |

「中国」をよく理解しなければ戦えない

 日本の国防について「あれこれ」論評する立場にないが、その最大の敵が中国であることは分かる。その中国と戦うためには、当然に中国をよく知っておかなければならない。とくに中国の「4000年の歴史(特に王朝史)」「共産党(中国共産党だけではない)」そして「習近平(の性格)」はよく理解しなければならない。

 そうでないとこの強大化した中国は読めず、もちろん戦えない。現在の王朝である中華人民共和国は1949年に設立されているが、中国の主体は中国共産党で本日(7月1日)100周年記念式典が行われ、現皇帝の習近平が演説した。

 それぞれを詳しく解説していると長くなるため、ポイントだけに絞る。

 紀元前221年に「秦」が初めて中国を統一し、始皇帝が最初に「皇帝」を名乗った。紀元前770年からこの紀元前221年までを春秋戦国時代というが、実は中国が最もエネルギッシュだった時代がこの春秋戦国時代であり、優れた王、将軍、役人、思想家が多く現れた(もちろん正反対も多かったが)。つまり中国は春秋戦国時代がエネルギーのピークで、そこから「狡猾さ」ばかりが目立ってくる。

 それでは中国人(漢民族)はいつ登場したのか? 紀元前202年に劉邦が「漢(前漢)」として中国を統一する。その中心の「漢中」から国名が「漢」となり、そこから正統の中国人を「漢民族」と呼ぶようになる。この「漢(後漢)」から三国時代を経て晋までは「漢民族」の王朝が続く。ところがずっと以前から各王朝は匈奴など(特に北方)異民族の脅威にさらされていた。

 そして317年に晋が匈奴など北方異民族に華北を奪われて南遷して東晋となり、華北は異民族国家が数多く建国されて滅んでいく五胡十六国時代となる。439年に北魏が華北を統一し、さらに581年に隋が中国を統一するが、その次の唐も含めてすべて北方異民族の国家である。つまり正当な中国人である漢民族は、とっくに蹴散らされていたことになる。

 ここで中国人には常に異民族の脅威にさらされていた「恐怖心」がDNAに植え付けられる。それで今でもチベットやウイグルや内モンゴルを徹底的に抑え込もうとする。「漢民族は弱く、異民族は強い」と自覚しているのである。

日本も日中戦争を戦った「異民族」なので、やはり中国から見ると「強い」と感じるはずであり、徹底的に戦争責任を持ち出して戦闘意欲を削ぐのである。しかし日本は中国に朝貢していた時代もあったため、逆に日本人の方に「中国は偉い」とのDNAが植え付けられている。「中国に対しては徹底的に強気に出る」が正解なのである。

 ところが317年以降の各王朝は「漢民族」ではなく全て「異民族」の国家であるものの、不思議なことに各異民族国家は急速に漢民族化して弱体化し「別の異民族国家」と交代している。それにずっと以前から皇帝は世襲が続くため、だんだん愚帝が続くことになり、外戚や宦官が実権を握り私腹を肥やすため王朝が崩壊する歴史でもある。

現在の王朝である中華人民共和国の皇帝(国家主席)は世襲ではないが、現皇帝の習近平が任期を勝手に延長し、党幹部やその子弟が私腹を肥やしているため「過去の王朝」に近づいている。歴史は繰り返すのである。

先を急ぐが100周年を迎えた中国共産党は、設立時からコミンテルン(共産主義インターナショナル)の支部であった。つまり日本共産党と「同格」である。第一次世界大戦とロシア革命を経てレーニンらがボルシェビキを改称して「ロシア共産党」として共産主義が始まったが、最初から共産主義はロシア国民そして世界を支配するための手段でしかなかった。歴史的に見ても共産主義の下で国民の生活が向上したことはなく、恐怖による支配が続き自戒していった歴史である。

現在まで残る国を支配する共産主義は中国共産党と朝鮮労働党だけであるが、やはり国民そして世界を支配するための手段でしかない。中国共産党100周年記念の演説で習近平・皇帝兼総書記が「共産主義体制の維持」を声高に叫んでいた。つまり習近平は共産主義で14億人の国民そして世界を支配するというアナログを選択していることになる。ますます共産主義の維持にコストがかかり矛盾が出てきて、王朝を弱体化させるはずである。

最後に習近平は、共産主義体制の維持だけなく毛沢東時代への回帰まで模索しつつ、一方で半永久的に皇帝の座も維持するつもりである。それ自体が「大いなる矛盾」を含む。

これらは簡単ではあるが本誌が理解する中国である。そんな中国に前線で対峙する自衛隊の皆様には感謝するしかない。

2021年7月2日