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外資土地取得規制法案が公明党によって葬られる怪

| 政治・政策提言 | 日本 | 2021年3月13日 |

外資土地取得規制法案が公明党によって葬られる怪

 日本は外資(外国人)による土地取得を規制していない。全く禁止していない国は日本だけのはずである。また中国のように土地の取得権そのものを認めていない国もある。

 それでは自衛隊基地とか原発の周辺の土地を外資がどんどん取得したらどうなるか? 1986年に出版されたF・フォーサイスの「第4の核」は、まだ崩壊前の旧ソ連政府が英国の軍事基地周辺で小型原発を組みたてて爆破させ、当時のサッチャー政権を転覆させて英国に共産党政権の誕生を目論むというストーリーである。

ジェームス・ボンド役でブレイクする前のピアス・ブロスナン主演で映画化もされているが(日本では未公開)、小説のほうが圧倒的に面白い。その中で旧ソ連は英国の基地周辺の土地を取得していたわけではなかったが、全く同じリスクを認識しておく必要がある。

 また基地や原発の周辺だけでなく貴重な水資源や領海に影響する離島など、外資による安全保障上重要な土地取得だけでも規制すべきとの議論が昨年(2020年)後半からようやく盛り上がっていた。

 政府は、とりあえず外資による土地取得の事前届け出や、取得目的の報告だけを義務付ける「大変に控えめな」外資土地取得規制法案をまとめたが、何と連立与党の公明党が私権の制限に抵触するとして難色を示し、予定していた3月9日に閣議決定できず葬られることになる。

ここで私権を保護しなければならないのは日本国民に対してであり、明らかに反日国家の私権など気にする必要もないが、野党ではなく連立与党の公明党が反対する事実は不気味でしかない。連立政権で国土交通大臣のポストをずっと公明党に独占させてきた結果、膨大な土地利権が発生しているかもしれない。

また土地取得に限らず空港運営権なども外資に売却してはならない。関西国際空港の運営権を仏バンシ・エアポートに売却したため(2兆円の資金はオリックスが出した)、コストカットばかりでロクな保安体制が取れず、まんまと同国人のカルロス・ゴーンを逃亡させてしまった。何で日本の捜査当局が「重大な保安上の瑕疵(手抜き)」に対して損害賠償を請求しないのか不思議である。

 以前お勧めした船橋洋一氏の「フクシマ戦記」を読めば、10年前の東日本大震災時の福島第一原発事故は東電首脳部と原子力保安院(廃止)の「驚くべき」保身と責任感のなさによる典型的な人災だったことがわかる。その一方で頼りにならない東電首脳部や原子力保安院に邪魔されながら、福島第一原発の現場に「自らの意思」で残った故・吉田所長ら各現場責任者や担当者の「決死」の努力には改めて頭が下がる。少なくとも「フクシマ戦記」以前の書物では十分に紹介されていなかった。

 話が戻るが外資土地取得規制が葬られたということは、東日本大震災における東電首脳陣や原子力保安院などの「驚くべき」無責任がまた繰り返されて日本人の安全が損なわれていることと「全く」同じである。

 これは中国海警察法による砲撃のリスクに既にさらされている海上保安庁に対する懸念が「一向に」盛り上がってこない状況とも相通じる。

 またようやく過剰接待問題から外資比率が規定の20%をオーバーしていた「コトの本質」に問題が移った東北新社問題も、1つ間違えれば反日国のプロパガンダ放送局が日本で開局していたことになる。

 日本にはありとあらゆる安全保障上のリスクがあるが、それぞれが「驚くような事情」で国民の安全を守れない状況になっているのである。

2021年3月13日