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バイデン政権の危うさと世界の株式市場

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 トランプが大統領に当選した2016年11月4日のNYダウ(終値、以下同じ)は17888ドルだった。コロナウイルスショックに襲われた2020年3月23日には18591ドルまで下落して「ほとんど振り出しに戻っていた」ため、トランプ政権における株価上昇の大半は、その後の猛烈な金融緩和・量的緩和・財政出動により実現したことになるが、トランプ政権時に株価が大きく上昇したことは事実である。

 一方でバイデンが正式に大統領に就任した2021年1月20日のNYダウは31188ドルと史上最高値となった。選挙人投票の開票日にデモ隊が議会に乱入してトランプ逆転の芽が消滅した1月6日は30829ドルだったため、ここからバイデン政権の株式市場がスタートしたと考えられる。

 つまりトランプ政権のNYダウは実質的に17888ドルでスタートし、バイデン政権は同じく30829ドルでスタートしたと考えるべきである。

 そして本日(1月29日)のNYダウは620ドル安の29982ドルと、30000ドルを割り込んでしまった。

 これだけでバイデン政権を株式市場は評価していないと決めつけるつもりはないが、バイデン政権にいくつかの「危うさ」があり株式市場が懸念し始めていることは事実と感じる。

 その「危うさ」を大きく分けると、以下の4つである。

 まず1つ目は、もともと典型的な民主党のバラマキ型政策にコロナウイルス対策や公約のインフラ整備が加わり財政赤字が際限なく膨らむことである。トランプ政権時には失業対策支援を通じて家計から推定7000億ドルもの資金が株式市場に流れ込んで株高を演出していた。しかしそこにバイデン政権のバラマキが際限なく続くと、さすがに市場に警戒心が出てくるはずである。

 2つ目は、バイデンは大統領選で「お世話」になった中国共産党、ITなど国内巨大企業、マイノリティ、過激派を含む左翼勢力、それに共和党幹部ら「すべての意向」を取り入れる必要がある。その結果、外交・経済など政策すべてに一貫性・主体性がなくなり、米国だけでなく世界の分断を加速することになる。対中国政策も「強がり」は人権問題だけであり、すでに中国共産党に完全に舐められている。

 3つ目は(これが最大の危うさと考えるが)、認知症気味のバイデンは当然にリーダーシップに欠け、ボロが続出し、早期にレームダック化する恐れがある。

 そして最後の4つめは、トランプを排除したかった共和党幹部の協力がまだ得られているため、今のところは議会との関係が良好で閣僚の承認もスムーズであるが、早くも共和党内の「風向き」が変わっている。共和党議員の賛成で(正確には造反で)、下院でスピード決議され、上院で承認されたトランプ弾劾裁判も、早くも賛成(造反)した共和党議員に逆風が吹いている。トランプが共和党に留まりそうなため、早ければ2022年の下院選挙、知事選でトランプを敵に回すことは得策ではないからである。つまりバイデン政権と議会(とくに上院)との関係は、まもなく対立が目立つことになる。

この辺のバイデン政権に対する「漠然とした不安感」が株式市場にも反映されていると感じる。超金融緩和は当面維持され、さらなる財政資金が家計を通じて株式市場に流入するため、まだまだ本格的に下落すると考える必要はないが、バイデン政権発の「バブル崩壊へのカウントダウン」が始まったと考えておくべきである。

当然に米国を睨む日本など世界の株式市場も、一蓮托生である。

 

2020年1月30日