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米国株は「はっきり」バブルだと考える4つの理由

| 株式編 | 米国 | 2020年8月20日 |

 米国株式市場は8月18日にS&P 500が史上最高値を更新した。またハイテク企業の多いNASDAQ総合指数はすでに史上最高値を更新しており、昨年末から8月18日までのアマゾンの株価上昇率は79%、アップルは57%にもなる。

 NYダウだけはまだ2月12日の史上最高値(29551ドル)に届いていないが、3指数ともコロナウイルスの影響で3月下旬には大きく落ち込んでいたことなど「きれいに」忘れている。

 現在もそのコロナウイルスが世界中で再拡大していることや、米中間の緊張が極限に達していることや、米国2020年4~6月GDPが前期比で9.5%(年率換算32.9%)も落ち込んだことや、同期における米企業業績が前年同期比33%減であることなど、全く気にしていないことになる。

 もちろんFRBをはじめ世界の中央銀行が金融緩和・量的緩和を強化しているからで、米国の(つまり世界の)株式市場が必ずしも「バブル」であるとも言い切れない。

 しかし「ほんの最近になって」気になる「バブルの兆候」が目につき始めた。そう思う現象を4つほど順不同で挙げてみる。

その1
 ソフトバンクグループ(SBG)が8月17日、アマゾンの12億ドルを始め、ネットフリックス、テスラ、マイクロソフト、アルファベット、エヌビディアなどに大量投資していることが当局への提出文書で明らかになった。

 投資開始時期は不明であるが、2020年4~6月期決算にはなく、孫社長が11日に投資運用子会社を設立しIT関連企業を中心に投資すると公表していたため、最近になって大規模に投資し始めたことになる。

 これを「今更」とか「高値掴みになる」などと心配するのではなく、「あの孫社長が我慢できなくなるほど米国株とくにハイテク企業の株価が過熱している」ことになる。

その2 
 SPACとは特別目的会社のことであるが、実態は「空っぽの箱」である。そのSPACが今年になってすでに51件、190億ドル(2兆円)の資金調達を行って株式市場に上場している。SPACは「近い将来、有望未上場企業を買収する」として、あらかじめ資金調達して株式市場に上場するものである。

 投資家は「何か素晴らしい公開企業に化ける」ことだけを期待して、SPACに超高値で投資する。買収される未公開企業も面倒な上場手続きや自ら資金調達を行う必要がなくなる。ぎっしり資金の詰まった空箱に入るだけでよい、究極の裏口上場である。

 いくらなんでも「やりすぎ」である。例えれば2017年に募集したソフトバンクのビジョンファンドが、「有望な未公開企業に10兆円投資しますよ」というだけで20兆円もの資金が集まるようなものである。何年か前のICOのようなものでもある。

 これもバブルの「あだ花」である。

その3
 バブルの「あだ花」をもう1つ。手数料ゼロで急成長している米証券会社のロビンフッドは、未上場であるが時価総額1.2兆円の評価で2億ドルの資金調達に成功した。

 ロビンフッドのビジネスモデルは、手数料無料で搔き集めた1日430万件もの株式注文を、そっくりシタデルや2シグマや、その他のHFT(超高速取引業者)に有料で販売している。つまり一般顧客の株式注文を「サメが泳ぐプールに投げ込んでいる」ことになる。

 もちろん健全ではなく長続きもしないと思うが、ここでロビンフッドの時価総額よりも、1日430万件もの株式注文を米国人が出しているところこそ「バブル」である。その中には1200ドル支給されたコロナウイルス給付金を「そっくり」つぎ込んだ者も多い。

 まさに「素人が狂ったように株式市場に参入してきたらバブルの最終段階」である。

その4
 イーロン・マスクの個人資産が836億ドルとなり、ジェフ・ベゾス(1906億ドル)、ビル・ゲイツ(1140億ドル)、マーク・ザッカーバーグ(990億ドル)に次ぐ世界第4位となった。上位4名とも今年になって個人資産を大幅に増加させたことは同じであるが、マスクは年間生産台数が僅か40万台のテスラの「創業者」ですらない。

 世界の大半がコロナウイルスの影響で苦しんでいる中で、「よく考えるとおかしい=やっぱり米国株はバブルである」となる。トランプも株式の売却益減税(20%から15%)だけはやめた方がよい。

 まだあるかもしれないが、すべて「最近になって目についたバブルの兆候」ばかりである。「バブルとは、バブルだと心配するものがいる間は決して弾けない」ともいうが、いくらなんでもそろそろ冷静になる必要がある。

2020年8月20日