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FIFA(国際サッカー連盟)の巨大な利権に割り込んだ米国

| 経済編 | その他 | 2018年6月28日 |

サッカーのワールドカップ・ロシア大会は連日熱戦が繰り広げられているが、本日はそれを主催するFIFAの内幕を少し覗いてみたい。ロシア大会が開幕する前日の6月13日にモスクワで開催されたFIFA総会で、2026年ワールドカップはカナダ・米国・メキシコの3か国共催となることが決定された。またその2026年大会から出場国が現在の32か国から48か国に拡大することも正式に承認された。

次回となる2022年ワールドカップは中東カタールで開催されるが、その決定をめぐって巨額資金が動いたことは公然の事実である。昨年にサウジアラビア、UAEなどから国交を断絶されたカタールは、そもそも日本の秋田県ほどの面積しかなく、もちろんその国土の大半が砂漠である。常識的に考えてカタールがワールドカップ開催にふさわしいとはとても考えられない。砂漠の中に10以上の屋根付きスタジアムを建設しな蹴ればならないはずである。もちろんFIFAはその一切その費用を負担せず、大会運営費の一部を支援するだけである。

2011~14年におけるFIFAの総収入は7075億円と巨額であるが、そのうち4959億円がワールドカップ・ブラジル大会におけるテレビ放映権料やスポンサー料である。IOCと同じようにこれらの収入はすべてFIFAが独占するが、そこから何に使っているかがよくわからない。ちなみにFIFAもIOCも「非営利の任意団体」とされるため、ともに税金は全く支払っていない。

さてオバマ政権時代の2015年5月27日、米司法省がFIFA本部のあるチューリッヒに集まっていた現職のFIFA副会長2名を含む幹部7名を逮捕した。容疑は巨額の賄賂を受け取っていたなどであるが、ここはどんな賄賂でもその大半がドルであるため、米国は自国通貨が犯罪に使われたとして関係者の逮捕をスイス当局に依頼したことになる。容疑となった賄賂は総額で1億5000万ドル(185億円)ともいわれ、主にワールドカップ開催国を決める際の「票の取りまとめ」に対する謝礼である。また最終的に米司法省は14名を起訴したはずである。

しかしそこから逮捕されたFIFA副会長2名を含む7名、あるいは起訴された14名の動向がぷっつりと入ってこなくなり、完全にうやむやになってしまった。しかしその代わりにオバマの任期切れ寸前の2017年1月10日、ワールドカップの出場枠が32か国から48か国に拡大されると唐突に発表されたが、その拡大枠は北中米、アジア、アフリカに優先的に割り振られている。そして6月13日には2026年ワールドカップがカナダ・米国・メキシコの3か国共催になることが発表された。しかし試合の大半は米国で行われ、カナダとメキシコは開催国に名を連ねているだけであるが、それでも開催国は予選が免除になり、自動的にワールドカップ出場が決まる。米国はロシア大会の出場を逃がしており、カナダに至ってはワールドカップに進出したことすらない。

こうやって時系列で考えてみると、サッカーの利権を独占するFIFAに、比較的サッカーの後進国であり従ってその利権からも遠い米国が強引に介入し、落としどころとして2026年のワールドカップ開催と、出場枠の大幅拡大を引き出したとしか考えられない。

つまり米国もFIFAの利権に大きく割り込んだことになる。